「あなただけのちいさないえ」(ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ/文 アイリーン・ハース/絵 ほしかわなつよ/訳 童話館出版 2001)
ひとはだれでも、自分だけの小さな家をもつ必要がある──ということを説いた絵本です。
《ひとはだれでも、そのひとだけの家を
もつ必要があります。
もちろん、あなたは、
お母さんやお父さんと一緒にあなたの
家に住んでいますね。
でも、わたしがいっているのは、
そういうことではありません。》
大きなカサは申しぶんのない家になるし、やぶの後ろのくぼみは、小さな素敵な家になります。少しのあいだなら、ベッドの毛布の下に小さな家をつくることができます。お父さんが新聞のかげにいるときは、お父さんはお父さんだけの小さな家にいるのだし、お母さんがうたたねいているときは、お母さんはお母さんだけの小さな家にいるのです。
《あなたは、みんなとはなれて
ひとりになりたいと思うときがあります。
子どもたちと一緒でもなく、
大人のひとと一緒でもなく、
だれにも、なんにも、うるさくされずに、
そんなとき、あなただけの
小さな家をもっているのはよいことです》
文章はシンプルで論理的。線画によるさし絵が、文章によくアクセントをつけています。読むと、ひとはだれでも自分だけの小さな家が必要なのだと納得することでしょう。小学校中学年向き。
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