「金の鳥」(内田莉莎子/文 シェイマ・ソイダン/絵 福武書店 1989)
昔、ある村に、ひとりのおじいさんが3人の息子と暮らしていました。おじいさんの家の庭には、1本のりんごの木があって、毎年たったひとつだけ実がみのりました。おじいさんが若わかしく丈夫なのは、このりんごを食べていたからでしたが、ここ3年というもの、だれかが盗んでしまうので、おじいさんは食べることができませんでした。そこで、めっきり弱ってしまったおじいさんは、息子にりんごの木を見張らせることにしました。
一番目と二番目の兄は、夜明け前に眠りこんでしまいますが、末の息子のハサンは、りんごを食べにきた金の鳥を弓矢で射かけ、羽を一枚落とします。ハサンは、金の鳥を捕まえるため旅にでて、途中知りあったオオカミに助けられ、金の鳥のいる御殿へ、さらに金のたて髪の馬がいる粘土の国や、金の魚がすんでいるダシャン王の湖へとむかいます。
コーカサスの昔話をもとにした絵本です。絵は、色彩が豊かで幻想的。粘土の国や、ダシャン王の湖にいくことになるのは、ハサン自身の失敗からですが、親切なオオカミはどこまでもハサンを助けてくれます。小学校中学年向き。
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