「みっつのねがいごと」(マーゴット・ツェマック/文・絵 小風さち/訳 2003 岩波書店)
昔、大きな森のはずれに、仲のよいきこりの夫婦がいました。ある朝早く、夫婦が森で木を切っていると、どこからか、か細い声が聞こえてきました。きこりとおかみさんが声のほうにいってみると、しっぽを木の下敷きにされた一匹の小鬼が、足をじたばたさせていました。夫婦が木をどかしてやると、小鬼がいいました。「助けてもらったお返しに、あんたらに願いごとをかなえてやろう」
小鬼がかなえてくれる願いごとは3つだけ。夫婦はあれこれ話し合いますが、きこりが、「とりあえず、鍋にいっぱいのソーセージがほしいぞ」と、口をすべらせてしまいます。そのとたん、暖炉のなかから、鍋いっぱいのソーセージのジュージューいう音が。すると、おかみさんは叫び声をあげ、「あんた、バカじゃないの! 自分がなにをしたかわかってんの! こんなソーセージなんか、あんたのそのダンゴっ鼻にくっついちまえばいいんだわよ!」といったので──。
願いがかなうとわかったとたん、けんかをはじめてしまう夫婦のお話。でも、最後は仲のよい夫婦にもどります(たぶん)。小学校低学年向き。
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