2010年8月31日火曜日

ねぼすけはとどけい












「ねぼすけはとどけい」(ルイス・スロボドキン/作 くりやがわけいこ/訳 偕成社 2007)

スイスの山奥にある小さな村に、小さな時計屋がありました。店の鳩時計は毎時間、規則正しく鳴きました。ですが、一羽の鳩時計だけは、いつも決まってほかの鳩より遅れて鳴きだしました。ある日、ガラビア国の王様が、ゾウに乗った召使いを大勢つれて、なにかおみやげはないかとこの村にやってきました。

時計屋の前で、鳩時計が3時を打つのを待っている村の子どもたちを見つけた王様は、時計屋をのぞきこみ、鳩時計をすっかり気に入ってしまいました。しかも、店にある鳩時計の数は123個。自分を入れて、ちょうど親戚にあげるぶんだけあります。王様が、全部買うぞと、時計屋のおじいさんに告げると、店のなかの鳩時計がいっせいに鳴きだしました。でも、一羽の鳩時計だけが、遅れて鳴きはじめて…。

遅れて鳴きはじめた鳩時計をみた王様は、一羽だけ正しいのか、それとも一羽だけまちがっているのかと考え、全部買うのはやめだといいだします。そこで、おじいさんは、正確でないのは一羽の鳩時計だけなこと、あの時計は明日の朝までに直しておくことを王様に約束しますが──。

「百まいのドレス」のさし絵などで高名な、ルイス・スロボドキンによる読物絵本です。なぜ、この鳩時計は遅れてしまうのでしょう。そして、おじいさんはどうやって時計を直すのでしょうか。ラスト、だれもが納得する絶妙な解決が待っています。小学校低学年向き。

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