「アリババと40人の盗賊」(馬場のぼる/作 こぐま社 1988)
昔、ペルシャのある町に、ふたりの兄弟が住んでいました。兄の名はカシム、弟の名はアリババといいました。ふたりはもともと貧しい育ちでしたが、兄のカシムのほうはお金持ちのお嫁さんをもらい、市場にちょっとした店をもつ身分になりました。いっぽう、弟のアリババは、貧乏な家の娘さんをもらったので、貧乏なままでした。
ある日、売りものにする薪をあつめに森にいったアリババは、40人もの盗賊の一団がやってくるのに出くわしました。盗賊たちはてんでに盗品をかかえ、森のかげの大岩のまえに集合し、かしらとおぼしき者が岩壁にむかい妙な呪文をとなえました。「開けェ、胡麻!」。すると、岩の壁にぽっかり大きな洞穴があらわれました。
──ご存知、アリババと40人の盗賊のお話。盗賊が去ってから、アリババはこっそり洞穴に入り宝を少々いただいてくるのですが、宝を手に入れたことをカシムの奥さんに見抜かれてしまいます。そこで、こんどはカシムが10頭ものロバをつれて洞穴にいくのですが、なかに入ったものの呪文を忘れてしまい、帰ってきた盗賊たちに殺されてしまいます。
このあたりまでが前半。後半は、宝をとりもどそうとする盗賊と、それをふせごうとするカシム家の賢い女奴隷モルジアナとの駆け引きが話の中心になります。馬場のぼるさんの絵は、いつもながらユーモラス。でも、お話はしっかりしています。小学校中学年向き。
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