「りすがたねをおとした」(ハリス・ペティ/作 わたべようこ/訳 ペンギン社 1978)
マザーグースの「ジャックがたてた家」や、絵本の「これはのみのぴこ」(谷川俊太郎/作 和田誠/絵 サンリード 2007)と同趣向の絵本です。リスが落としたサクランボの種が、芽をだし、男の子の手で植え代えられ、雨が降り、日が照って、芽は木になり、花を咲かせる──。物語の進展にともない、どんどん文章が積み上げられていきます。
「りすが たねをおとした」ではじまった文章は、じきにこんな具合になります。
「りすが たねをおとした。
そのたねから めがでた。
そのめを おとこのこが うえかえた。
そのめに あめとたいようが そそいで、きがのびた。
そのあめとたいようが、つちのなかのむしたちを そだてた。
そのむしが つちをこやした。
そのつちに、のびたきが ねをはった。
そのきに、はながさいた」
これで終わりではありません。お話はまだ続きます。
絵は、線画にフラットな色づけをほどこしたもの。少々バタ臭いと感じる向きもありそうです。巻末に、「さくらんぼタルトのつくりかた」が載っています。小学校低学年向き。
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