
「まちのねずみといなかのねずみ」(イソップ/原作 ポール・ガルドン/絵 木島始/訳 童話館出版 1997)
昔、田舎のネズミのところに、王様の宮殿に住む友だちが訪ねてきました。田舎のネズミは大喜びで、チーズやベーコンやとれたばかりの小麦やトウモロコシで、友だちをもてなしました。すると、町のネズミはいいました。「ほんとうに、まあ、よくきみはこんなにぱっとしないところで、こんな田舎の食べもので元気にしておれるなあ。これじゃあのんびりしすぎだよ」。そこで、田舎のネズミは、町のネズミと一緒に宮殿にいってみることにしました。
ご存知、「まちのねずみといなかのねずみ」のお話です。このあと、田舎のネズミは宮殿のごちそうに舌つづみを打ったものの、犬やネコや人間に、さんざんに脅かされます。
岩波文庫の「イソップ寓話集」(1999)には「田舎の鼠と都会の鼠」としてこの話が収録されています(話数243番)。イソップ寓話には、話の最後にいつも教訓がそえられているのですが、この話にはこんな教訓がつけられています。
「この物語が明かすのは
質素に暮らして 不安なく 生きていく方が
恐怖の中に苦しんで 贅沢するより 優っているということだ」
小学校低学年向き。
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