「わたしとあそんで」(マリー・ホール・エッツ/作 よだじゅんいち/訳 福音館書店 1980)
《あさひが のぼって、くさには つゆが ひかりました。
わたしは はらっぱへ あそびに いきました。
ばったが 一ぴき、くさの はに とまって、むちゅうで あさごはんを たべていました。
「ばったさん、あそびましょ」 わたしが つかまえようとすると、ばったは とんでいってしまいました。》
〈わたし〉は、カエルやカメやリスやカケスやウサギやヘビと遊ぼうとしますが、みんな逃げていってしまいます。そこで、池のそばでじっとしていると──。
「もりのなか」で高名なマリー・ホール・エッツによる絵本です。すでに古典となり、お話会などでもよくつかわれます。絵は、柔らかい味わいの線画に、少しだけ色がつけられた、非常に魅力に富んだもの。このあと、じっとしている〈わたし〉のところに、動物たちがもどってきます。「ああ わたしは いま、とっても うれしいの」という、末尾近くのことばが耳に残ります。小学校低学年向き。
余談ですが、堀内誠一さんは、この絵本の女の子を「絵本のジョコンダ(モナリザ)」と呼んだそうです。
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