「だるまちゃんとかみなりちゃん」(加古里子/作 福音館書店 1968)
だるまちゃんが外に遊びにいこうとしたら、雨が降ってきました。カサをさしてでたら、変なものが落ちてきました。そして、ぴかぴか、ごろごろ、がらがら、どしんと、小さなかみなりちゃんが落ちてきました。
落ちてきたかみなりちゃんは、木の枝に引っかかってしまった変なもの(浮き輪)をとってほしいと、だるまちゃんにいいます。だるまちゃんは、飛び上がったり、飛び跳ねたり、かみなりちゃんを肩車したりしますが、それでも変なものには届きません。そこで、だるまちゃんは、カサを投げて変なものを落とそうとするのですが──。
「だるまちゃん」シリーズの一冊です。作者のかこさとしさんは、「あなたのいえ わたしのいえ」や「マトリョーシカちゃん」など、多くの傑作をえがいています。さて、このあと、投げたカサは、変なものと一緒に木にぶら下がってしまい、あてが外れただるまちゃんとかみなりちゃんがべそをかいていると、そこに、かみなりちゃんのお父さんのかみなりどんが、雲を運転してあらわれます。カサと変なものをとってくれたかみなりどんは、だるまちゃんを雲に乗せて、かみなりの国に連れていってくれます──。どこもかしこも鬼の意匠がほどこされた、かみなりの国がまた楽しい、じつに愉快な一冊です。小学校低学年向き。
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