2012年10月2日火曜日

名馬キャリコ










「名馬キャリコ」(バージニア・リー・バートン/作 せたていじ/訳 岩波書店 1974)

はるか西部のサボテン州に、キャリコという馬がいました。みめうるわしくはありませんでしたが、頭はめっぽう切れましたし、足の早さはとびきりでした。キャリコは、カウボーイのハンクの馬でした。オオカミの群れから、赤ん坊のキャリコを助けてくれたのがハンクだったので、キャリコはその恩を忘れず、ハンクのためならこの世の果てまでいくつもりでした。

さて、平和なサボテン州に、ある日、5人組の悪漢たちがあらわれます。悪漢たちは、太った牛をひと群れ盗みだし、ふくろ谷にかくしてしまいます。それに気がついたサボテン州のカウボーイたちは、悪漢たちのボス、すごみやスチンカーに賞金をかけるのですが──。

「ちいさいおうち」で高名な、バージニア・リー・バートンによる、西部劇風の絵本です。小振りで横長の体裁で、絵は白黒、マンガのようにコマ割りされ、コマの下に文章が書かれています。また、紙の色が次つぎに変わっていくのも、特徴のひとつです。このあと、キャリコが頭をつかって、一度はスカンチーを捕まえるのですが、スカンチーはまんまと脱獄、一味とともに馬車強盗をたくらんで──と、ストーリーは波乱万丈、まだまだ続きます。バートンのデザインのセンスと、動きの表現のうまさが堪能できます。ちなみに、キャリコはメスの馬です。小学校中学年向き。

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