「ナビル」(ガブリエル・バンサン/作 今江祥智/訳 BL出版 2000)
エジプトに住む少年ナビルは、村の学校の先生から壮大なピラミッドの話を聞いて、自分もみてみたいと思いました。ピラミッドにたどり着くにはどれくらいかかるのか、ナビルは周りの大人に聞きました。ですが、「わたしがピラミッドのことを話したからって、なにもわざわざ見にいくことはないんだよ」と先生はいいますし、ほかの大人たちも、「見にいくなんて無理な話さ」といいました。でも、どうしてもピラミッドがみたいナビルは、ある日とうとう村を出発しました。
旅の途中で出会う大人たちも、「やめたほうがいい」と、優しくナビルを引きとめます。でも、それでもピラミッドがみてみたいナビルは、親切な旅人の助けを借りて、ピラミッドにむかいます──。
絵は、鉛筆、あるいはコンテによるもの。ガブリエル・バンサンの情感にあふれたデッサン力が、いかんなく発揮されています。このあと、ナビルはついに念願のピラミッドにたどり着きます。全身で喜びをあらわしながらピラミッドに駆けていくナビルの姿は、一読忘れがたいものがあります。大人向き。
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