2012年5月15日火曜日

コーギビルのゆうかい事件








「コーギビルのゆうかい事件」(ターシャ・テューダー/絵・文 食野雅子/訳 メディアファクトリー 2001)

大きくなったコーギ犬のケレイブは、大学を優秀な成績で卒業し、コーギビル村の有名な探偵事務所ではたらいていました。ケレイブは最近、村でみかけるアライグマの数が増えたことをいぶかしんでいました。あるとき、ケレイブは、ホレーショ・ラビットの野菜畑でゴミの缶がゆれているのに出くわしました。フタをもち上げると、顔をだしたのはアカリスでした。「あのアライグマのスットコドッコイ。スパイしにきたんだろうといって、おれさまを閉じこめたんだ」と、アカリスはいいました。

ケレイブがさらに調査をすすめると、アライグマたちは本屋で料理の本と、とても高価な熱気球の本を買い、雑貨屋ではローストチキン用の詰めものと値段の高い輸入もののハーブのびん詰めと、〈ノミコロリ〉を半ケースも買っていったことがわかりました。さらに、大学時代の友人のカラス、チャーリー・クローの手紙から、ケレイブはアライグマたちが、カナダからやってくるアライグマ、セビュロン・ラクーンの歓迎のために、世界おんどりコンクールで優勝したベーブを狙っているのではないかと推理して──。

19世紀的な生活を実践していることで注目をあつめた、ターシャ・チューダーによる絵本です。このあと、ケレイブはなんとしてもベーブを守らなければと決意するのですが、ハンバーガーを3個食べて昼寝をしているうちに、ベーブを誘拐されてしまいます。後半は救出劇。ケレイブや、ウサギやネコやニワトリや、ひょっとしたらアライグマにも、みんなモデルがあるのではないかと思わせます。お話は他愛ないのですが、そう思わせる親密さが魅力的です。大人向き。

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