「ブライディさんのシャベル」(レスリー・コナー/文 メアリー・アゼアリアン/絵 千葉茂樹/訳 BL出版 2005)
1856年、新天地へ旅立つブライディさんは、チャイムの鳴る時計でも、陶器の人形でもなく、1本のシャベルをもっていきました。船が大きくゆれたとき、からだを支えたのはシャベルでした。、ニューヨークの港についたとき、シャベルに荷物をくくりつけ、肩にかついで船から降りました。小さな帽子屋で部屋と仕事をみつけたときもシャベルと一緒。早起きした朝には、シャベルをもって裏庭にでて、小さな花壇づくりに精をだしました。
冬には、シャベルをもって公園にいき、雪かきをして、月の光を浴びてスケート遊びをします。スケート仲間の若者と結婚したブライディさんは、農場に引っ越し、ここでもシャベルは大活躍します──。
絵を描いたメアリー・アゼアリアンは「雪の写真家ベントレー」の画家として高名です。絵は、味わい深い版画。このあと、子どもも生まれ幸せな日々をすごすブライディさんでしたが、ある日カミナリが納屋に落ち、納屋は焼け、シャベルの柄も燃えてしまうのですが…とお話は続きます。シャベルを通して語られる女性の一代記です。小学校高学年向き。
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