「しょうがパンぼうや」(ポール・ガルドン/作 ただひろみ/訳 ほるぷ出版 1978)
昔、子どものいないおじいさんとおばあさんがいました。ある日、おばあさんはしょうがパンでぼうやをつくろうと思いつきました。練り粉を平らにのばして、男の子のかたちに切り抜き、干しブドウで目を、すぐりの実で口を、シナモンのドロップを鼻にして、並んだ干しブドウを上着のボタンにしました。ところが、おばあさんは焼いているうちに、ぼうやのことをすっかり忘れてしまいました。「おやまあ、パンぼうやがこげてるわ!」と、おばあさんがぼうやをとりだそうとしたところ、パンぼうやはすとんと床に降り立ち、通りに駆けてゆきました。
おばあさんとさんとおじいさんは、パンぼうやを追いかけますが、捕まえることができません。以下はくり返しです。牛や馬やお百姓さんや牛飼いが追いかけますが、そのたびにパンぼうやはこんなことをいって逃げだします。
「にげてきたのさ おばあさんから、
にげてきたのさ おじいさんから、
にげてきたのさ うしさんから、
──にげちゃうんだよ、きみからも!」
ラストは「おだんごぱん」と一緒ですが、ガルトンがえがくこの絵本は「おだんこぱん」よりもずっと劇的です。最後、キツネがうまくやる場面をたっぷりとみせます。また、その後、追いかけていたみんなが帰っていく姿もえがかれています。小学校低学年向き。
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