「はらぺこライオン」(ギタ・ウルフ/作 インドラプラミット・ロイ/絵 酒井公子/訳 アートン 2005)
ライオンのシンガムは、お気に入りの木の下で、なんとか簡単に獲物がとれないものかと考えていました。すると、よい考えがひらめきました。きょうは市場が立つ日です。市場では、人間がヤギを杭にしばりつけておくので、人間を怖がらせて追い払えば、すぐにヤギが食べられます。シンガムはさっそく村へむかいました。
ところが、途中スズメのクルヴィに出会ったシンガムは、方針を変更。すぐにおまえを食べてやるといいますが、クルヴィは、いま甘いおもちをつくるためにお米をついばんでいるところなので、どうせならその両方食べたほうがいいでしょう、と提案します。おもちをつくるためには、砂糖とバナナ、ミルクにバター、つぼと鍋とたきぎがいると聞いたシンガムは、それらを全部そろえるために、ふたたび市場にむかうのですが──。
インド民話をもとにした絵本です。このあとも、シンガムは、市場で出会った子羊のアドゥや、鹿のマーンにまんまと騙されてしまいます。訳者あとがきによれば、本書の愉快な絵は、インド西部に住むワルリー族が古くから伝える、伝統的なワルリー画の画風だということです。また、現在では数がへってるというものの、ライオンはインドにも生息しているということです。小学校中学年向き。
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