2013年5月10日金曜日

おならをしたかかさま















「おならをしたかかさま」(水谷章三/文 太田大八/絵 ほるぷ出版 1991)

昔むかし、ある大きなお屋敷で、殿さまが大勢のお客を呼んでお酒を飲んだりうたったりしていました。それが、あんまり長く続くので、女のひとたちはみな、くたびれてしまいました。殿さまの横にすわっていた、お腹の大きい奥方もくたびれて、ついプイとおならをしてしまいました。

殿さまは、おならをした奥方をひどく怒ります。そして、奥方をひとり舟に乗せ、夜の海に流してしまいます──。

日本の民話をもとにした絵本です。「金の椿」「金の瓜」「金の茄子」という話として語り継がれ、本書では福井県につたわる話をつかったとあとがきにあります。さて、このあと、ある小さい島に流れ着いた奥方は、島のひとたちに良くしてもらい、男の子を生み、育てます。12歳になった男の子は、「うちにはどうしてととさんがおらんのや?」とたずね、奥方が島にくることになった事情を話すと、男の子は殿さまに会いにひとり海にこぎだして──。最後、男の子はとんちをきかせ、みごと殿さまをやりこめます。小学校中学年向き

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