2013年5月2日木曜日

はたらきもののあひるどん















「はたらきもののあひるどん」(マーティン・ワッデル/作 ヘレン・オクセンバリー/絵 せなあいこ/訳 評論社 1993)

アヒルどんはとてもはたらき者でした。ご主人が大変なのらくらどんだったので、いつもはたらかなければなりませんでした。アヒルどんが畑からメウシをひいて帰ってきても、ご主人は「しっかりやっているかね?」と訊くだけでした。ヒツジを丘から連れてきても、メンドリを小屋に入れても、ご主人は同じことを訊くだけでした。そして、そのたびにアヒルどんは「ぐわっ!」とこたえるのでした。

ご主人は一日中ベッドに寝転がっているせいで、すっかり太り、一方はたらきづめのアヒルどんは、げっそりやせてしまいます──。

ヘレン・オクセンバリーは、「あかちゃんがやってくる」の絵を描いたひと。本書では、親しみやすく美しい水彩をえがいています。このあと、アヒルどんを放ってはおけないと、メウシやヒツジやメンドリたちは会議を開き、衆議一決。みんなはご主人の部屋に忍びこみ──と、お話は続きます。前の見返しにえがかれた冬の風景が、後ろの見返しでは美しい緑の風景となっています。小学校低学年向き。

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