「いやだいやだのスピンキー」(ウィリアム・スタイグ/作 おがわえつこ/訳 セーラー出版 1989)
うちを飛びだしたスピンキーは、草の上にからだを投げ出しました。うちのひとたちときたら、スピンキーのことを、だれ一人わかってくれないのです。姉さんのウィラミナが、「ごめんねスピンキー、スピンクスなんて呼んじゃって」とあやまっても、兄さんのヒッチが、「おまえのいうとおり、フィラデルフィアはベルギーの首都だったよ」といっても、スピンキーはなにもこたえません。
夕方、お母さんがきて、「お母さんはあなたが生まれた瞬間から、いいえ、生まれるまえからずっとあなたを愛していたのよ」とキスしても、スピンキーは、いまごろ遅いよと、石のようにうごきません。スピンキーは、うちにもどらずハンモックですごすようになるのですが──。
「ゆうかんなアイリーン」などで名高いスタイグの絵本です。ページごとにユーモラスなカラーの絵があり、絵の上や下に文章があるというスタイルは、この本でも変わりません。このあと、友だちがきても、お父さんがきても、おばあさんがきても、スピンキーのボイコットは続きます。でも、だんだんとうちに帰りたくなってきて…。がんばってスネ続けるスピンキーにたいし、お父さんは長ながと説教したり、おばあさんはプレゼントをもってきたりと、いかにもそのひとがやりそうなことが上手くえがかれています。小学校低学年向き。
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