「魔術師の弟子」(バーバラ・ヘイズン/文 トミー・ウンゲラー/絵 たむらりゅういち/訳 あそうくみ/訳 評論社 1977)
ずっと昔、なんでも知っている魔術師がいました。王子をネズミに変えることも、小石を黄金に変えることも自由自在でした。ライン川を見下ろす城に住み、地下室の研究所にあるカギのかかった本棚に、「魔術用語および呪文大全」という大事な本をしまっていました。研究室の真ん中には水槽があり、これを毎日いっぱいにするのは弟子のフンボルトの仕事でした。フンボルトは、魔術師が雑用ばかりいいつけるのに、うんざりしていました。
さて、魔術師はある日、会議に出席するため城を留守にします。本棚のカギが置き忘れられているのをみつけたフンボルトは、「魔術用語および呪文大全」をとりだし、ほうきの魔術をつかってみます。すると、ほうきはバケツをもち、ライン川から水をくんできます――。
「魔法使いの弟子」の物語をもとにした絵本です。ウンゲラーの絵は、黒と赤と緑を多用した、おどろおどろしくも愛嬌のあるもの。このあと、ほうきは水槽の水をいっぱいにし、それでも水くみをやめなくて…と物語は続きます。小学校中学年向き
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