「いまがたのしいもん」(シャーロット・ゾロトウ/文 エリック・ブレグヴァド/絵 みらいなな/訳 童話屋 1991)
わたしは小さな女の子です。ある日、母さんがわたしに、「あなたは大きくなったらどんなひとになるのかしら」と訊きました。わたしは、「大きくならないで、いまのまんまがいいわ」とこたえました。
うれしいときスキップできるし、テーブルの下でおままごとして、絨毯のバラの花を指でなぞるのよ。アイスクリーム屋のおじさんは、名前を呼んでくれるし、なんにもしないでいつまでもすわっていたり、きれいだなって思ったら、クレヨンで描いちゃえる。大人になったら、もうクレヨンはつかわないでしょ──。
女の子とお母さんの会話ですすむ絵本です。いまが楽しいという理由を、女の子はまだまだ並べたてます。絵は水彩で、雨の降る町や雪景色などがとても美しくえがかれています。最後、「大人だって楽しいもん」といお母さんの言葉を聞いて、わたしは大きくなるのも素敵だと思いますが、でも…と思い直します。小学校低学年向き。
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