「ちいさなとりよ」(M.W.ブラウン/文 R.シャーリップ/絵 与田凖一/訳 岩波書店 1978)
子どもたちがみつけたとき、その鳥は死んでいました。鳥は目を閉じていましたが、まだ少し温かでした。心臓の音を聞こうと思って、鳥の胸に指を当てました。でも、心臓は止まっていました。
子どもたちはお墓をつくって、鳥を埋めてやろうと思いつきます。森のなかの地面に穴を掘り、底に柔らかいシダの葉を敷き、ブドウの葉で包んだ鳥を寝かせます。そして、鳥の上にもシダの葉をかぶせ、スミレの花とスターフラワーを飾ります──。
鳥の死体をみつけた子どもたちが、鳥のお葬式をするお話です。文章のパートと、絵のパートがはっきりと分かれているつくりで、文章だけの見開きのあとには、絵だけの見開きが続きます。絵は、青味がかった、適度に抽象化された、落ち着いたもの。全体に品がある、服喪の雰囲気に満ちた一冊です。小学校低学年向き。
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