2012年11月9日金曜日

ノアの箱舟










「ノアの箱舟」(アーサー・ガイサート/作 小塩節/訳 小塩トシ子/訳 こぐま社 1989)

ノアとその息子たちは、神さまに箱船をつくれと命じられました。箱船には、ノアと、ノアの妻と、ノアの3人の息子とその妻たちが乗り、そして地上のあらゆる生きものが、ひとつがいずつ乗るのです。ある晩、動物たちは、箱船に向かって旅をはじめました。そして、動物たちが箱船のもとに到着したとき、空には一片の雲があらわれました。

動物たちは次つぎに到着し、雲も次つぎにあらわれます。箱船は徐々に建造され、いよいよ雨が降りはじめます──。

ノアの箱船伝説をもとにした絵本です。絵は、すみずみまでみたくなる緻密な銅版画。訳文も、重厚な銅版画にふさわしい、簡潔で力強いものです。さて、大洪水が起こり船が陸地をはなれると、箱船を清潔にたもつために、ノアの一家は懸命にはたらきます。そして、ついに雨が上がった場面では、洗濯物とともに、箱船の屋根でくつろぐノアの一家がえがかれます。読んでいて、乾いた風を感じるような思いがします。小学校中学年向き。

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