「川のぼうけん」(エリザベス・ローズ/文 ジェラルド・ローズ/絵 ふしみみさを/訳 岩波書店 2012)
高い山のてっぺんに、雨つぶが降りました。雨つぶたちは土の割れ目を下り、草木の根本をまわって、やがて石の上をちょろちょろ走る小さな流れになりました。いつのまにか雨が上がり、弧をえがいて飛ぶタカに、流れは声をかけました。「タカさん、一緒に海にいこうよ。ぼく、大きな川にんりたいんだ」
流れはやがて小川になり、滝になり、干上がりそうになったと思ったら嵐のおかげで勢いを増し、一路海へと向かいます。
エリザベスとジェラルドの、ローズ夫妻は、「ウィンクルさんとかもめ」や「おおきなかしの木」の作者です。絵は、少ない色数をたくみにつかった、大変生き生きしたもの。本書は、川のはじまりから海にいたるまでを物語風に追ったものですが、同じ題材をあつかった絵本として、「川はながれる」などが思い出されます。どちらの絵本も、読み終えると、川の冒険にすっかりつきあった気持ちになります。小学校中学年向き。
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