2012年11月22日木曜日

郵便局員ねこ











「郵便局員ねこ」(ゲイル・E・ヘイリー/作 あしのあき/訳 ほるぷ出版 1992)

その酪農場にいた大勢のネコのなかでも、クレアはもっとも冒険心のある子ネコでした。もうそろそろ大人になったのだから、自分自身の住処をみつけなくてはと考えていました。そこで、ある日、ミルク運搬車に乗りこんで、ロンドンに向かいました。

ロンドンに着いたクレアは、夏中を公園ですごします。ですが、冬になると、公園にはだれもこなくなってしまいます。漁船の着くビリングスゲートにいったり、とある家に入りこんだものの料理女に追い出されたり、貧民街で貧しいひとたちとほんの少しの食べものを分けあったりしたあと、クレアは王立郵便局に入りこみます──。

作者のゲイル・E・ヘイリーは、アフリカの民話に材をとった「おはなしおはなし」を描いたひと。巻末の「このおはなしの由来」によれば、1800年代、ネズミに郵便物や為替がかじられる被害をこうむっていた郵便局は、ネコを局員として採用することになったとのこと。のちには、ネコに対する支給を計上することが公認されたということです。絵は、太い描線に淡く色づけされた、版画風(版画?)のもの。このあと、郵便局員ネコとなったクレアは、首からH.M.P.O.C(女王陛下直属郵便局員ねこ)のメダルをぶら下げ、郵便局で幸せに暮らすようになります。小学校中学年向き。

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