2013年4月7日日曜日

王さまとかじや















「王さまとかじや」(ジェイコブ・ブランク/文 ルイス・スロボドキン/絵 八木田宜子/訳 徳間書店 2001)

昔むかし、ある国に「えらいホレイショ王」という若い王様がいました。家来たちは、この若い王様のことを、「かしこいホレイショ王」とも呼びました。そう呼ばれると、王様は大喜びするのでした。王様には、どんなことをするにも大臣がついていて、いつ長ぐつをはいたらいいかは、お天気大臣がきめました。いつ、どのくらい食べたらいいかは、テーブル大臣がきめました。王様はよく、大臣たちがどこかへいってしまって、ぼくをひとりにしておいてくれればいいのにと思っていました。

ある日、ホレイショ王は魚釣りにいことします。でも、馬大臣にとめられ、代わりに馬に乗ることになります。馬に乗り、森の空き地にさしかかったとき、カラスがさっと舞い降りてきて、王様の冠をくわえていってしまいます。カラスは、近くの手の届かない高さの枝にとまり、みんなはカラスから冠をとりもどそうとするのですが──。

本書は、白黒とカラーの絵が交互にくる体裁の読物絵本です。ルイス・スロボドキンは、「たくさんのお月さま」などの画家として高名。さっとえがかれた描線が大変魅力的です。さて、王様は冠をとりもどすよう、大臣たちに命令しますが、「盗まれた冠をとりもどす大臣」がいませんと、大臣たちは首を横に振ります。そこで、王様は、あのカラスを驚かせてみてはどうだろうといいだします。「近くの村に、国中で一番大きくて、怖い声をだす鍛冶屋がいる。ここに鍛冶屋を連れてまいれ」と、王様が命令を下して――、とお話は続きます。小学校中学年向き。

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