2013年4月17日水曜日
いちごばたけのちいさなおばあさん
「いちごばたけのちいさなおばあさん」(わたりむつこ/文 中谷千代子/絵 福音館書店 1983)
イチゴ畑の土のなかに、小さなおばあさんがすんでいました。おばあさんの仕事は、イチゴの実に赤い色をつけて歩くことでした。ある年、ぽかぽかとした、あたたかい日が続いたことがありました。おばあさんが階段をのぼり、地面の上にでてみると、イチゴ畑は見渡すかぎり青あえとした葉をしげらせていました。
「まあ大変、いまごろからイチゴがこんなに伸びてるなんて、これでは花が咲くのも間近だわ」と、おばあさんは大あわてで、イチゴに塗る赤い色づくりにとりかかります。
絵を描いた中谷千代子さんは、「かばくん」の絵をえがいたひと。絵はおそらく、薄塗りの油絵。土の色を紫色でえがいたところに工夫があります。さて、このあと、おばあさんは大急ぎで赤い色をつくり、イチゴにそれを塗っていきます。ところが、畑中のイチゴに色をつけた翌日、あたり一面真っ白な雪野原になっていて――と、お話は続きます。作中に、畑中のイチゴを塗り終わったおばあさんがうたう歌があります。小学校低学年向き。
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