2013年4月17日水曜日
シモンのおとしもの
「シモンのおとしもの」(バーバラ・マクリントック/作 福本友美子/訳 あすなろ書房 2007)
まだ馬車が走っているころのパリ。アデールは、弟のシモンを迎えに学校にいきました。シモンはセーターの上に上着を着て、帽子をかぶり、マフラーと手袋をしていました。それから、カバンを背負い、本とクレヨンと学校で描いたネコの絵をもっていました。「シモン、きょうは落としものをしないように帰ろうね」と、アデールがいうと、「うん、大丈夫」と、シモンはこたえました。
ところが、シモンはさっそく市場でネコの絵をなくしてしまいます。公園では本をなくし、博物館ではマフラーをなくしてしまい――。
作者のバーバラ・マクリントックは、「ないしょのおともだち」などの作者です。ちょっと銅版画を思わせるような、抑えた色づかいでえがかれた古風な絵は、よく作品にあっています。さて、本書はシモンが落としたものをみつける絵本です。このあと、地下鉄の駅前や、ルーブル美術館や、お菓子屋メゾン・カドールの店内で、シモンは落としものをし続けます。緻密にえがかれた背景のどこかに、落しものが隠れているのですが、それをみつけるのはなかなか大変。でも、最後、落しものは思いがけなくシモンのもとに届けられます。姉妹編に「シモンのアメリカ旅行」(2010)があります。ところで、植物園のむこうを歩いているのは、マドレーヌたちでしょうか…。小学校低学年向き。
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