2011年6月14日火曜日

わすれんぼうのねこモグ












「わすれんぼうのねこモグ」(ジュディス・カー/作 斎藤倫子/訳 あすなろ書房 2007)

トーマスさんの家族と暮らすモグは、大変忘れんぼうなネコでした。ごはんを食べたのに、またおねだりをしたり、足をなめている途中で、「なにして遊ぼうかなあ」なんて考えて、片足をあげっぱなしにしたりしていました。台所についている「ねこドア」のこともしょっちゅう忘れ、そのたびに台所の窓辺にすわって、にゃあにゃあ鳴いて、だれかが気づいてくれるのを待ちました。おかげで、窓辺の花はぺっしゃんこになってしまいました。

ほかにも、モグはテーブルの上にあがってニッキーの玉子を食べたり、お母さんの帽子の上で眠って、帽子を台なしにしたり、テレビの上に陣取り、シッポでお父さんがテレビをみるのをジャマしたりします。そのたびに、みんなに「こまったネコだ!」といわれるので、モグは「みんなわたしを怒ってばかり」としょんぼりするのですが──。

忘れんぼうのネコ、モグのお話です。このあとモグは大手柄をたてて「こまったネコ!」と、あんまりいわれなくなります。作者のジュディス・カーは、「おちゃのじかんにきたとら」の作者として高名です。また、モグを主人公にしたこの絵本はシリーズ化されています。ネコを飼ったことのあるひとなら、「シッポでテレビのジャマをする」ところなど、思い当たるところがありそうです。モグの愛らしさがよくえがかれた楽しい一冊です。小学校低学年向き。

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