「はんじさん」(ハーヴ・ツェマック/文 マーゴット・ツェマック/絵 こばしげお/訳 富山房 1975)
裁判所に囚人が連れてこられました。
《こいつは しゅうじん だい1ごう。
こいつを さいばん してください!》
ぼろを着て、義足をつけた囚人は、「わたしはみたままいっただけ。悪いことをしたなんて知らなかった」と、判事に判事に訴えます。
《おそろしい ものが こっちのほうへ、
まいにち まいにち だんだん ちかく。
めは ぎらぎらと おっかなく
おっぽは けだらけ
はんじさん、みんなで おいのり しましょうよ!》
しかし、判事は囚人の訴えをしりぞけ、判決を下します。
《このおとこは うそつきだ。
こいつを ろうやに ほうりこめ!》
副題は「しょうしんしょうめいうそのおはなし」。ハーヴ・ツェマックとマーゴット・ツェマックは「ダフィと小鬼」の作者として高名です。本書は、左ページにリズミカルな詩文があり、右ページに絵があるという構成。このあと、2~5号までの囚人が、判事の前に連れてこられます。みんな、「おそろしいものが、こっちのほうへやってくる」と、口ぐちにいうのですが、判事は聞き入れません。すると、大変なことが起こります。最後、ちょっと怖いところがある絵本です。小学校中学年向き。
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