「がまどんさるどん」(大江和子/文 太田大八/絵 童話館出版 2010)
あるところに、がまどんとさるどんがいました。さるどんは、いつも忙しげにそこらを走りまわり、がまどんはバッタラ、クッタラと、田んぼ道をゆっくり歩いていました。あるとき、がまどんは道で稲穂をみつけました。これでだんごをつくって、さるどんと食べようと、稲穂を家にもちかえると、さるどんは、いっぺんに食ってしまうのはもったいない、この穂を田んぼにまこうといいました。
さて、拾った稲穂をで田んぼづくりをすることにした2人でしたが、さるどんは頭が痛い、腹が痛いといって、ちっともはたらきません。田んぼの仕事は、みんながまどんがやり、おかげで秋になりお米がとれるのですが──。
民話をもとにしたと思われる絵本です。文章はタテ書き。右ページに文章があり、左ページに絵がある、端正な構成です。文章も民話調。田んぼをつくろうという、さるどんの提案は、こんな具合です。
「やいや、がまどんやれ、一ぺんにくうでしまうなんだあ もったいねえ。このほを 田んぼにまいて 寄り合い田 つくろうで」
物語はこのあと、お米をみたとたん元気になったさるどんが、山の上でもちをつこうといいだして──と、続きます。もちろん、さるどんの提案にはウラがあるのですが、しかし最後は《はたらかざる者食うべからず》に落ち着きます。小学校低学年向き。
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