2013年6月24日月曜日

まよいみち

「まよいみち」(安野光雅/作 福音館書店 1989)

たくさんの枝がついた木も、必ずどこかがつながっています。切れているところはありませんし、枝の先と先とがくっついてしまうこともありません。そして、2本の木からどんどん枝をだしていけば、どんなむずかしい迷い路でもつくることができます──。

本書は迷路についての絵本です。ただの迷路で遊ぶ絵本ではありません。さまざまな迷路を紹介し、考察をくわえています。考察は迷路から──やはり切れたところのない──ひと筆書きへ。「あやとりでつくったかたちは必ずひと筆書きができるはずです」。木の枝やあやとりといった身近なものから、迷路やひと筆書きを紹介する、その紹介の仕方が見事です。安野光雅さんの、綿密で明快な作風がよく味わえる一冊です。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿