2013年6月13日木曜日

ねむりひめ















「ねむりひめ」(グリム兄弟/原作 フェリクス・ホフマン/絵 せたていじ/訳 福音館書店 1978)

昔、ある国に王様とお妃がおりました。2人はいつまでたっても子どもができませんでした。ところが、あるときお妃が水浴びをしていると、1匹のカエルがあらわれていいました。「あなたの望みは必ずかなう。1年たたないうちに娘ごが生まれますぞ」

カエルのことば通り、お妃は女の子を生みます。その子があまりに可愛いので、王様はじっとしていられません。宴会を開き、そこに運をさずけてくれるという占い女たちも呼ぶことにします。ですが、金の皿がたりなかったため、国に13人いる占い女のうち、ひとりは招待しないことにします──。

よく知られたグリム童話「ねむりひめ」をもとにした絵本です。「ねむりひめ」の絵本は数多くありますが、もっとも知られていているのは、ホフマンのえがいたこの本でしょう。さて、このあと、招待されなかた占い女が宴会にあらわれて、「姫は15歳になったらつむに刺されて倒れて死ぬぞ!」と、呪いのことばを吐いて去っていきます。ほかの占い女も、その呪いを消すことはできません。ですが、「100年のあいだ眠ってしまわれる」ほどに、軽くすることはできました。そして、王様は国中のつむを焼くよう命じるのですが、15歳になった姫はある日、城の古い塔のなかで、麻糸をつむいでいるおばあさんに出会い、そのつむを手にし、とたん城中が眠りに落ちて──。小学校低学年向き。

余談ですが、表紙の王様は大きな手で姫を抱いています。姫も父親に抱かれて安心しきっているようです。本書を評した文章には、姫を抱く王様の大きな手が、王様の愛情を強く感じさせる──としばしば語られています。

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