2013年6月15日土曜日

きたかぜとたいよう















「きたかぜとたいよう」(ラ・フォンテーヌ/文 ブライアン・ワイルドスミス/絵 わたなべしげお/訳 らくだ出版)

ある朝、北風と太陽はウマに乗った旅人をみかけました。旅人は、新しいコートを着ていました。「わしがその気になれば、あのコートを脱がせることくらいたやすいことだ」と、北風がいいました。「きみにはできないと思うがね」と、太陽がいいました。

北風はびゅーびゅーと風を吹きつけて、ひとびとの帽子を吹き飛ばし、動物たちを怖がらせ、港の船を沈めます。でも、旅人はコートを脱ぐどころか、風に飛ばされないように、前をしっかりあわせてしまいます。

ラ・フォンティーヌの寓話をもとにした絵本です。ブランアン・ワイルドスミスは「おかねもちとくつやさん」などさまざまな作品を手がけています。その作風は、大胆で、にぎやかな色づかいが特徴。本書では、北風と太陽を力強く擬人化しているのが印象的です。さて、このあとのお話はご存知の通り。太陽が明るく輝き、花が開き、チョウが舞って――。バーナデットの「きたかぜとたいよう」と読みくらべるのも面白いでしょう。小学校低学年向き。

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