「ティリーのねがい」(フェイス・ジェイクス/作 小林いづみ/訳 こぐま社)
あるところに、人形の家がありました。人形の家には木の人形の家族が住んでいました。下の台所では、料理番が食事のしたくをしながら、メイドのティリーに用事をいいつけていました。ティリーは毎朝5時に起きて、かまどをきれいにし、火をおこさなくてはいけませんでした。一日中はいたり、拭いたり、磨いたり、こすったりして、そのあいだ、料理番は小言をいったり、怒鳴ったり、命令したりしていました。
あるとき、ティリーは、料理番に一日中あれこれ指図されるのはもううんざりと思います。そして、編みものと裁縫道具をカバンに入れ、カサをもち、人形の家をあとにします──。
ページの上部に絵があり、下部に文章があるという構成です。絵は、細部がていねいにえがかれたもの。このあと、人形を家をでたティリーは、自分の家になりそうな場所をさがしにいきます。途中出会った、クマのぬいぐるみのエドワードの協力を得て、温室に置かれた箱をみつけ、そこをきれいな家につくりかえます。負けん気が強く、格言好きのティリーが、細ごましたものをつかって家をととのえていくさまがじつに楽しくえがかれています。小学校中学年向き。
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