2012年9月13日木曜日

のろまなローラー









「のろまなローラー」(小出正吾/作 山本忠敬/絵 福音館書店 1979)

ローラーが重い車がうごかしながら、道をいったりきたりしていました。すると、後ろからトラックがやってきて、「じゃまだよ、じゃまだよ。どいたり、どいたり」といって、ローラーを追いこしていきました。

立派な自動車や、小型の自動車も、のろまなローラーを馬鹿にしながら追いこしていくのですが──。

名高い乗りもの絵本です。絵は、背景はピンクの線画。乗りものは、カラーでデザイン的にえがかれています。このあと、ローラーがでこぼこの坂道をのぼっていくと、さっき追いこしていったトラックが、パンクして停まっています。立派な自動車も、小型の自動車もパンクをしていて、ローラーは、「それはなんともお気の毒」と声をかけて通りすぎます。しばらくすると、パンクの直った自動車たちに、ローラーはまた追いこされるのですが、そのとき自動車たちがローラーにかける言葉は、もう馬鹿にした調子ではありません。自分の職務にはげむローラーが印象的な一冊です。小学校低学年向き。

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