2009年9月18日金曜日

うさぎさんてつだってほしいの











「うさぎさんてつだってほしいの」(シャーロット・ゾロトウ/文 モーリス・センダック/絵 こだまともこ/訳 富山房 1978)

きょうはお母さんの誕生日です。でも、いったいなにをプレゼントすればいいのでしょう。女の子は、「うさぎさん、てつだってほしいの」と、うさぎさんにたずねました。「いいとも、わたしでよかったらてつだってあげるよ」と、うさぎさんはこたえました。

女の子とうさぎさんの会話で話が進む絵本です。うさぎさんとやりとりすることで、女の子はお母さんへの素敵なプレゼントを思いつきます。センダックの描く水彩画はとてもきれい。うさぎさんは、足が長く、スマート。しぐさも言動も妙に格好いいです。小学校低学年向き。

2009年9月17日木曜日

長ぐつをはいたネコ












「長ぐつをはいたネコ」(ペロー/作 マーシャ・ブラウン/絵 光吉夏弥/訳 岩波書店 1996)

マーシヤ・ブラウンも「長ぐつをはいた」を描いています。こちらの猫も自信満々の表情。どことなく、メス猫っぽい感じです。フィッシャーの猫とはちがい、じつに優雅に楽々と長ぐつをはいています。冒頭はこうです。

「むかし、あるところに、ひとりの粉屋がいました。その粉屋が死んだとき、三人のむすこにのこしたものといえば、水車小屋と、ロバと、ネコだけでした。これっぽっちの財産を分けるのに、弁護士をたのむひつようはありません。

現在品切れ。

以下は余談。長くつをはいたねこに長ぐつをはかせたのは、たしかペローだったと思いました(シンデレラにガラスの靴をはかせたのも、たしかペロー)。長ぐつをはくまえのネコの活躍は、17世紀イタリアの物語集「ペンタネローネ」所収の「ガリューソ」という短篇にみることができます。この短篇では、ラスト、金持ちにしてあげた主人から感謝のことばを並べられたネコは、「ほんとうに感謝してるのかな?」と、死んだふりをします。ネコが死んだと思った主人が、手のひらを返したような発言をすると、ネコはとび上がって主人をののしり、でていってしまいます。ハッピーエンドではありませんが、主人をためすような疑り深いところが、ペローのネコよりネコらしいかも?

2009年9月16日水曜日

ブーツをはいたネコ












「ブーツをはいたネコ」(シャルル・ペロー/作 フレッド・マルチェリーノ/絵 おぐらあゆみ/訳 評論社 1994)

「長ぐつをはいたねこ」で検索してもヒットしない「長ぐつをはいたねこ」本に、この絵本があります。表紙にはなにも文字はなく、猫の顔が描かれているだけです(つまり、左側の画像が本当の表紙)。本をひっくり返すと、タイトルがあります。冒頭はこう。

「こなやには、3人のむすこがいた。まずしかったので、しんだとき、むすこたちにのこしてやれたものは、ふうしゃごやと、いっとうのロバと、いっぴきのネコだけだった。3人には、父おやがしんだからといって、べんごしにそうだんするお金などなかった。どのみち、これっぽちのざいさんではたいしてそうだんすることなんかなかったのだ」

非常に映像的な絵。表紙の猫がじつにりりしいです。

2009年9月15日火曜日

長ぐつをはいたねこ












「長ぐつをはいたねこ」(スベン・オットー/絵 矢川澄子/訳 評論社 1980)

表紙に「グリム童話より」とあり。 フィッシャーとくらべると絵は端正。語り口も端正で、冒頭はこう。

「粉屋がいました。むすこが三人に、粉ひき小屋に、ろば一とう、おすねこ一ぴきが財産でした。むすこたちは粉ひきをてつだい、ろばは麦をはこびこんでは粉をはこびだします。そしてねこは、ねずみをおっぱらう役でした。

現在品切れ。余談ですが、「長ぐつをはいたねこ」の話は、グリム童話の初版には収められていたそうなのですが、ペローのドイツ語訳ということで、後の版では削除されていまったそうです。

長ぐつをはいたねこ












「長ぐつをはいたねこ」(シャルル・ペロー/原作 ハンス・フィッシャー/作 矢川澄子/訳 福音館書店 1990)

ストーリーは省略。
扉に、「原作はシャルル・ペロー 絵物語に仕立てて注釈を付けたのはハンス・フィッシャー 翻訳は矢川澄子」という文章が記されています。そして、その下に鳩胸の、やけに自信に満ちたネコの絵が描かれています。線が躍動しているフィッシャーの絵は、みているだけで楽しくなります。内容も絵と同様に自由奔放。ネコが長ぐつをはくのに、いかに苦労したかなんていう裏話が語られてます。語り口の例として、冒頭を引用してみましょう。

「粉屋がいました。むすこが3にんあって、もちものは風車小屋に、ロバ1とう、おすネコ1ぴきでした。さて、粉屋は死んで、むすこたちは、いさんをわけることになりました。まず、総領が風車、2ばんめはロバ。とすると、末っ子にはネコしかのこっちゃいません」

「長ぐつをはいたねこ」の絵本は何種類もありますが、まず手にとられるべき一冊といえるでしょう。小学校低学年向き。

2009年9月11日金曜日

川はどこからながれてくるの










「川はどこからながれてくるの」(トマス=ロッカー/作 みのうらまりこ/訳 偕成社 1992)

丘の上の黄色い家に、ジョンとアーロンという兄弟が住んでいました。家にそばには、ゆったりと川が流れ、海へとそそいでいます。いったい、この川はどこから流れてくるのでしょう。ジョンとアーロンは、おじいちゃんにキャンプにつれてってとせがみました。次の日、朝早く、三人は川の源にむかい出発しました。

ひと晩のキャンプをして、川の源までさかのぼり、またキャンプをして家にもどってくるという話です。オランダの風景画のような絵がたいへん美しく、3人とともにキャンプにでかけたような気分になれます。小学校中学年向け。

2009年9月10日木曜日

スニッピーとスナッピー









「スニッピーとスナッピー」(ワンダ・ガアグ/作 さくまゆみこ/訳 あすなろ書房 1999)

スニッピーとスナッピーは野ねずみの兄妹です。2匹は、原っぱのすみっこにある居心地のいい巣穴で、お父さんとお母さんと一緒に暮らしていました。ある日、2匹がお母さんの青い毛糸玉で遊んでいると、毛糸玉が巣穴の外に転がりでてしまいました。ひょっとすると、毛糸玉がチーズでいっぱいの食料棚につれていってくれるかもしれないと、2匹は毛糸玉を転がしていきました。

この、毛糸玉と一緒にすすむところが、リズミカルな文章で書かれていて楽しいです。
「ころんと のぼって、ころんと おりて、のぼって のぼって、また おりて、のぼって おりて、また おりて、ころんころんころん、ころんころんころん」

絵は白黒。本のかたちは絵本ですが、話は長く、物語に近いおもむきがあります。子ねずみの視点から語られる物語は、くり返しが多く、それが物語に豊かさと広がりをあたえています。小学校低学年向き。